アンチセイバーメトリクス論 戦術川相昌弘推奨

私はデータ野球を否定しません。

2005年 日本シリーズ トータルスコア33−4は統計データ野球の結晶でもありました。

ボビーバレンタインの解析チームが弾き出した傾向を信じるなら、満塁で藤川球児と矢野のバッテリーはカウント3−2ならストレート系を選択します。

第五戦でタスクがライトポール右に大きなファールを打ったのはこの満塁、カウント3−2で直球に重きを置いてタイミングを取ったのに変化球がきた結果かもしれません。

左打者の彼のバットは早めに降り出した結果、投手寄りでボールと接触した結果右方向にファールし、次のストレートをセンター前に弾き返すことになりました。


データ野球の怖さを知っているのは当時千葉ロッテマリーンズを応援していたら知っていることです。

でも私はセイバーメトリクスはまだ途上の計算に思えます。

特に送りバントと盗塁に関しては不可解でしかないです。


1)送りバントは得点期待値が低いのか?

 端的に言えば川相昌弘の積み上げた533犠打は無駄だったんでしょうか?

データ的にはノーアウトランナー一塁とワンナウトランナー二塁では、ノーアウトランナー一塁の方が得点期待値が高いというのが根拠にあるそうです。

しかし、このデータ「野球見たことがあれば変だと思いますよね?」。

もし仮に、あなたが一番打者に巨人の坂本勇人と二番打者に川相昌弘を持っていたとして坂本がフォアボールで歩いたとしましょう。

川相昌弘に何をさせたいですか?

ここで答えられる人は存在しません。

野村克也でも長嶋茂雄でも無理でしょう、広岡達朗さんなら呆れるかもしれません。

3人はこう質問するでしょう

「イニングと得点差と相手投手と対戦チームの内外野の守備力とその試合の重要性を教えてくれ」

簡単にいうとこういうことです。

レギュラーシーズンの10試合目でお互い無得点の1イニング目、相手先発が

(全員全盛期のと前提して)

オリックス 山本

巨人 菅野

ホークス 千賀

の誰かだったら強行しますか?

逆に、レギュラーシーズンの120試合目で10点アドバンテージのある7イニング目、2016年あたりの防御率が壊滅的だったヤクルトが相手で坂本をストレートのフォアボールで歩かせたら送りバント考えますか?

つまり、

送りバントを企画する場面は元々得点期待値が低い状況にある

という前提があると思います。

また後ろの打線と監督の傾向もあります。

全盛期の森西武で日本シリーズだと送りバント送ったランナーがせっせとホームに帰ってきます。

打線に力があり監督が心配症だと送りバントは企画されがちで得点にもなりますから送りバントの得点期待値はとても高いです。

ですが、送りバントしなくても得点にはなったかもしれません、打線がいいですから。

逆に1995年のボビーバレンタインは完全試合スレスレの試合でやっと出塁したランナーをあっさり盗塁で失ってそのまま完封負けしたことがあります。

これを見ると盗塁は無駄に思えますが、じゃあファーストに残ってても得点になったっていうとわかりません。

確かその試合他に打者が出塁できずに負けた覚えがありますから。

どちらのケースも監督の傾向や場面によって戦術の選択が変化するし、試合の重要性でも変わってきます。

こうした背景を考慮しないでアウトカウントとランナーの位置だけで計算してもあまり意味がないと思うのです。

さらに心理的にプレッシャーを受けるのがスコアリングポジションという言葉です。

ランナーが二塁にいる場面を1イニング目に経験するのとしないのでは先発投手にかかるプレッシャーが違います。

2021年の日本シリーズで山本、宮城を擁するオリックスは3勝を計算できると私は読みました。

しかし結果はこの二人が三回登板して勝てたのは第一戦のみ、それもスコットマクガフの乱調で起きたさよなら劇だけでした。

山本も宮城もヤクルト打線の粘りで消耗を誘われ、先発の疲労や降板後の中継ぎを狙い撃ちする作戦に出てきました。

送りバントでランナーが二塁にいて試合をすると相手チームは消耗するはずです。

その結果はそのイニング中には出なくても後で聞いてくるボディーブローではないかと思われます。


2)それでも広島カープは盗塁した なぜ盗塁をするのか?

 2018年の日本シリーズは広島の選手が「ほら〜」と思いながらセカンドにスライディングし甲斐選手のセカンド送球でアウトになっていました。

盗塁がたくさん企画されたくさんアウトになりました。

盗塁もまた非効率な戦術だと言われがちですし、映画マネーボールでも否定されていました。

二番打者に最強打者を置き、ランナーは盗塁せずにヒッティングのみで攻撃する。

これは「野球の試合見てたら相手が楽なのわかりますよね」

まず二番打者の変遷を私なりに考えてみました。

二番に強打者が居たのを私が最初に見たのが1995年の千葉ロッテマリーンズでした。

ボビーバレンタイン監督は二番打者に首位打者の経験もある左打ちの平井選手を起用しています。

これは左打者が引っ張るので一番打者が出塁したら引っ張って右方向に打ち1、3塁にするかアウトになってもファーストランナーがセカンドまでは進むのでスリリングな攻撃的布陣と見られていました。

これは2004年あたりで同じく首位打者経験もある左打者の福浦選手でも再現されています。

しかし、千葉ロッテで一番面白い二番打者は堀選手でした。

彼は夜番を打ったこともある人で打席が右です。

ランナーが出たら右打ちをせねばならないのですが、堀選手の右打ちはまさに芸術の域でしたから見事にこれがフィットしたってわけです。

さらに面白いのはファーストランナーが瞬足だと相手バッテリーは外角にストレートを投げがちになります。

これは多分キャッチャーから見て右の方(右打者のアウトコース)にボールを投げてもらえると捕球してからセカンドに投げやすいからじゃないでしょうか。

そしてアウトコースはバットが遅れめでインパクトするので打球はどうしても右方向に飛びがちです。

また、ランナーが瞬足だと二番打者はある程度アウトコースのストレートに山を張りやすいわけです。

つまりファーストランナーの盗塁数が多いと打者はアウトコースのストレートを読んで打ちやすくなる

ってことになりませんでしょうか?

そうするとその打席でランナーが盗塁したことより、過去に盗塁実績が多い人がファーストにいることで打者は打撃に成功しやすい?

とは思えます。


まとめ)全てはつながっている

 野球って面白くて選手はつながりのある行動を取ります。

2021年の日本シリーズでヤクルト塩見選手が打てなくなると予測したのはオリックスから見てヤクルト打線が塩見選手こそが打線の中核であることに気づいているだろうと思うからです。

瞬足の塩見選手が出るとそこから青木、山田、村上をランナー背負って対戦しなければならずワンヒットで下手すると先取点が入り、ランナーを残した状態でそこからサンタナ、中村、オスナの両外人とチーム最高打率の捕手と対戦することになります。

また塩見選手は得点圏打率が高く試合外でもチームメートの前でおどけて見せたり性格的にも性質的にも2005年のプレーオフで決勝打を打った里崎選手を評した野村克也さんの解説の言葉を借りれば塩見選手もまた里崎選手並みに「超積極的なバッター」です。

彼を抑えることでヤクルトの打線を打の点々にできると考えるんじゃないでしょうか。

そして山本、宮城の2枚のべ4枚が先発してくるわけですから六戦、七戦でこの二人とまた対戦します。

そこまでに塩見選手の打撃を回復しておかないとヤクルトに勝ち目なんかないと私は思ったのです。

だから打線の組み替えをいかに早くして塩見選手を下位打線で復調させて一番に戻すなりしてオリックスと対戦すべきだと考えた次第です。

 送りバントも盗塁もそのイニングには効果がないかもしれません。

しかし後で効いて来ることもあるのです。

広島カープは甲斐キャノンに刺されながらも盗塁を繰り返しました。

あれは悪手に思えますが、ちょっと広島の監督がカッとなりやすいタイプだったんでムキになったのかなとも思えます。

私ならランナーに盗塁の気配だけさせて相手投手から直球形を引き出せれば(ストレート系のボールを多めに投げさせて味方打者がそれを読んでくれれば)それでいいと考えます。

こんなのでもいいです

盗塁も送りバントもやってこないチームと対戦するのは楽です。

手数が減るので警戒すべきことが減りますし、野手はどの場面でも前に出る必要がありません。

2005年の日本シリーズ第1戦では本塁打の次の打席で今江選手がドラッグバントで安打に、西岡選手がプッシュバントで一塁に出塁、1998年の日本シリーズでも石井選手がシリーズ最初の試合の最初の打者でしたが三塁線にドラッグバントで一塁に行きました。

こういう野球は相手チームからすると考えなきゃならないことが増えて面倒です。

2021年の日本シリーズでもオリックスがCS突破をバスターで決めているので中島監督が何をして来るかをテレビ解説はしきりに警戒していました。

このチームは絶対に盗塁してこないとわかればランナーが瞬足だろうが投手は変化球を投げ放題ですから、ランナーが居てもいなくても打者は配球の読みが相変わらず大変なままです。

それは楽ですよね。

セイバーメトリクスを突き詰めるならこういう場面ごとの違いや何試合目なのか、どの試合なのか、その時チームの順位や勝敗数はどうなのか?などを数値化して考慮された計算式を考えないといけないのではないかなと思います。

データや急にわたしは賛成です。

でも送りバントや盗塁に関する否定はちょっと待ってほしいなと思いました。

なので私が監督なら川相選手に送りバントのサインを出すでしょう。

これをまとめると

「2000年代になってからセイバーメトリクスが浸透し始めてプロ野球では犠牲バントが減少しているが、そのデータをテレビ番組「戦え! スポーツ内閣」のゲストに招かれた際に見せられたことがある。川相自身は長い沈黙ののち「…数値だけで判断はできない」と返答」する事になるんだと思いいます(WIKIより)。