
1980年代後半から2001年までは私も良くテレビ番組の中でもプロ野球の試合中継を見ていました。
毎年、3月末から始まって10月くらいまで続くその放送コンテンツは視聴率も良いらしく各局持ち回りで放送するという体制だった様です。
放送割合はおそらく日本テレビが最も多く、TBS、フジテレビ、テレビ朝日が似たような割合で放送していたはずです。
何故そう思うのか?
実はテレビ番組に占めるプロ野球中継の割合は気難しい言い方で厳密に言うと殆ど無かったからです。
この頃、放送されていたのは読売ジャイアンツという東京の後楽園に後楽園球場・東京ドームに本拠地を置くたった1チームの試合、俗に巨人戦と呼ばれる試合を中継していただけでした。
そして日本テレビは読売ジャイアンツと近いので主催試合はここが放送していたからです。
ところでこの、プロ野球の中継がたくさんあったというのは誤解をうむ言い方で、実際には巨人戦を火曜日から日曜日までだいたい週に6日間放送していたというのが正しいです。
ほぼ毎日夜の7時から9時までの2時間が放送枠として確保され、最大21分の延長放送がありました。
つまり各局にとって巨人戦は2時間から2時間半のスペシャル番組を放送してる感じになります。
これって巨人にもテレビ局にもおいしい関係でした。
巨人戦中継予定にスポンサーはたくさんCM枠を買ってくれるし、読売ジャイアンツは選手を毎日視聴者に見ていただけるわけです。
選手にはドラフト等で入団し最初は期待されながら思うような結果は出ず、しかしコーチや監督との出会いを通じて成長してゆく過程を視聴者は見せられます。
これってのちにアサヤンと呼ばれる番組で女性タレントが募集されオーディションで合格しスタッフとの出会いを通じて成長過程を見せられた視聴者に感情移入してもらってスターになったモーニング娘。なんかに似てる気がします。
現在はこのシステムがさらに形式を変えAKB48の様なもう少し身近な感じになった仕組みに変わって来ていますが、ここでいう「SKE48のだれそれさんが私の推しメン」という意識に似た構造が巨人戦を放送してもらう事で「推しメン」ならぬ「ある選手のファン」を作り出してたんじゃ無いかなと思います。
しかし現在は巨人戦をテレビ中継してもテレビ局は充分な広告料を手に入れられない様で、つまり放映権料や中継コストに見合う利益が確保できないらしく巨人戦の中継を夜の7時にみることはありません。
つまり、プロ野球中継番組ではなく巨人戦中継番組が消滅に近い状態にあり、原因は人々が巨人に興味を失ってしまったからでは無いかと思います。
そしてむしろテレビ神奈川では横浜ベイスターズの試合中継を横浜スタジアムで行われる試合だけは毎晩の様に放送していますし、NHKはメジャーリーグや広島カープ対阪神タイガースの様なジャイアンツとなんの関係もない試合をたまに放送しています。
だから、巨人戦中継がほぼ消滅したけどそれ以外の野球中継は割と私は見かけるように感じてます。
なんかの錯覚ですかね?