ルパン3世 カリオストロの城とその謎
カリオストロの城に謎なんかあるの?
ルパン三世カリオストロの城は1979年12月15日に公開された劇場アニメーションで、監督は宮崎駿さんで当然のことながら作品は大ヒット・・・しなかったらしいのですが、その後テレビでの放送などを通じて大人気作品となった劇場アニメーションです。
私はこのアニメーションが放送された時期は「テレビでそう言ってるんだからそれが正しいんだろう」という基本姿勢だったので、ルパンが「白だ」と言えば画面上に赤いものがあろうが黒いものがあろうが「きっとどこかにルパンの言う白い部分があるに違いない!」と思っちゃう私には「何の疑問もなかった」作品です。
が、謎があると言われると「そうなのかもしれない(基本姿勢が維持されていると思われる)」と思ってしまうチョロい私はそれぞれの華麗なる疑惑が気になってしまうのでした。
それで改めてこのアニメーションについて考え直してみたのですが、結論からいうと
「特に疑惑とかないっすよ?」
と思えるのでした。
以下その件に関して箇条書きにしてみたいと思います。
ルパン三世は精巧な偽札を捨てる理由があるのか?
刑事コロンボ 権力の墓穴に登場するアーティー(Val Avery)が盗品を仲買人に売ろうとするシーンがあるのですが、そこで仲買人が買取を拒否しています。
理由はアーティーが窃盗時に殺人を犯しているという疑惑(冤罪)があり、仲買人もアーティーとの取引を危険と判断したからでした。
また、同じ劇中でアーティーにイミテーションの宝石を見せたコロンボが「こういう(偽)物を盗むか?」と聞かれたアーティーは「(偽物なんか盗んだら)仲間内で物笑いの種になる」と回答します。
世界的怪盗アルセーヌ・ルパンの孫息子ルパン三世が国営カジノ侵入という危ない橋をわたって手に入れたのが偽札では格好がつかないわけです。
従ってあの偽札を映画冒頭で高速道路から捨てることには、話としては筋が通っているように思えました。
ルパン三世が偽札を捨てるならラストシーンで峰不二子の持っている偽札の原版を欲しがるのは変?お友達になりたいのは何故か?
昔のドイツの通貨250マルクで買えたパンがハイパーインフレで399,000,000,000マルクになった事があったそうです。
1923年、ドイツでは1月に1個250マルクだったパンが、その年の12月には3990億マルクになったそうです。
ゴート札があんまり出回ると通貨の流通量が過剰になってインフレが起きる可能性と、偽札である事がルパン三世には目視確認できるレベルですからどこかでバレる可能性もあり、その場合このお金で成り立ってる経済が信用を失ってしまう可能性だってあるんじゃないでしょうか?
ルパン三世は撲滅し2度と偽札を作れなくしたはずの偽札工場から峰不二子がその偽札の原版を持ってきてしまったことを知って「ヤバイ!」って表情になるのが上記予告映像の1分29秒あたりで確認できます。
彼女の性格を知っているルパンはこの原版をどこかに売りに行ってしまうのを防ぎたいので、それは俺が買い取るよという意図で「お友達になりたいわ」と言ったのかなあ?というのが私の想像です。
1968年の話なのにその当時なかったはずの百円ライターやインスタントカップうどんが出てくるのは何故?
逆にいうとインスタントカップうどんが出てきている時点で少なくとも1975年以降の話だという事なんじゃないでしょうか?
また時系列をこう考えるのも面白いかと。
1968年 クラリスが誕生
1971年までに ルパンがカリオストロの城に侵入 クラリスとカールに出会う
???? 次元大介と出会う
1971年10月24日 ルパン三世がカーレースに参加(1stの第一話)
1979年9月? ルパンが国営カジノで偽札を掴まされカリオストロの城に侵入、偽札工場を破壊
カップうどんが最初に発売されたのが1975年なので少なくともそれ以降の話だろうという事と、宮崎駿さんのインタビュー記事を読む限りだと1970年代中期以降の話なんじゃないかなあ?と思えるのです。
銭形警部の「あなたの心です」とクラリスの「はい」は何?
ラスト時点でカリオストロ公国の最高権力者になってるクラリスがICPOの銭形警部に、偽札工場を破壊しクラリスを助け出したルパン三世を犯罪者として追うのをやめるように言ったのが「あの方(ルパン三世)は何も盗んでいない」という部分で、最高権力者の要請に従いますよと銭形警部が応じたのが「あなたの心です」の部分ではないかと思います。
つまり「ルパンは(警察に追われるような物は)何も盗まなかった」ので「盗んだものといえばクラリスさん、あなたの心(って言うかちょっと今寂しいでしょうけどそのうち忘れますよドンマイ)です」って感じじゃないかなあ?
一応ICPOのお偉いさんは銭形警部を監視していて、彼がルパンを追いかけないと後で五月蝿いので形だけ追っかけますよという事なんじゃないかと思います。
クラリスはルパンに恋してる?
クラリスは早くにお父さん亡くしてらっしゃるのでファーザーコンプレックスというものが実在するなら恋とかではなく単にそれ?
カリオストロ伯爵はクラリスと結婚したいの?
伯爵の家計を彩るアクセサリー的に結婚したいかも。
子供も作る予定だったかも。
でも伯爵は女遊びが激しいから特に(恋愛対象としては)クラリスにこだわる理由もないかも。
ただちょっと怖いのは結婚できるようにだと思うんだけど伯爵ずっと独身通してて、クラリスが結婚できそうな最低年齢になるの待ってた感があるです。
暗殺からここまで全部最初から狙ってたんじゃないかな?
ロリコン伯爵って何?
政略結婚とはいえ無理のありすぎる年齢差なので、公衆の面前でそこを下品な概念で挑発してみせたのかな?
峰不二子が持ってきた新聞の切り抜きはなんで1968年なの?
昔の新聞だからじゃないですかね。
図書館かどこかで手に入れて切り抜いたのかもしれないです。(PPC複写機の発売年は1959年なのでコピー機でコピーしたとか)
書いてある内容は「クラリスの誕生」とかじゃないかと(以前は大公夫妻の葬儀かと思ってました)。
そこにクラリスの誕生を祝福にいらしたヴァチカンの大司教のお話か何か書いてあって、次に大司教がクラリスにお会いになるのはクラリスの結婚式になるだろうとか書いてあったかもしれず、それを読んだルパンは「(クラリスと伯爵による)明日の結婚式にヴァチカンから大司教が来るとある」と次元大輔、石川五右衛門に言ったんじゃないかなあ?
でもそれならその日の夕刊でもいいわけですよね、なんで1968年なんだろ。
警備上の理由とかルパンにそれと察知されると変装して入り込まれたりする可能性もあり、それは困るからカリオストロ公国側が記者に報道規制をかけて報じられてなかったとか?
何でルパン三世はヴァチカンの大司教に化けたの?
一番警戒されなくて一番式でクラリスに近くて絶対に身体検査されないから?
主要産業を失ったカリオストロ公国に未来はあるの?
湖の底にあったんで完全ではないものの広大な古代ローマの遺跡というか都市そのものが丸っと出てきました。
これほどの規模の観光資源を持っている国はそうそうないので、これで観光客を呼んで商売できるんじゃないでしょうか?
ただ、偽札売り捌いてた頃のような贅沢はできなくなると思われます。
カリオストロの城は維持できないかも?
伯爵は使途不明の指輪がなぜ欲しかったの?
カリオストロ公国の正当な継承者がもつ象徴的なアイテムだからじゃないですかね?
そしたらルパンに指輪がお宝の鍵になってることを突然教えられたって話ではないかと。
なんで偽札の質が落ちたの?
オイルショックという世界規模での不景気だったから。
国営カジノが何らかの支払いに使うために発注かけてくるくらいヤバイ量の注文がカリオストロに来ていたんじゃないですかね?
だってあの紙幣って帯ついてますからカジノが客から巻き上げた掛け金じゃないですよね?(客も金持ちだから帯ついた札束で支払ってた可能性もありますけど)
生産ペースが上がって質が低下し、盗んだルパンがルーペもなしに夜明けに明るいところでパッと見たらわかるくらい印刷が雑になってたのかも。
ただそうまでして金をかき集めていたのはカリオストロ公国なわけで、伯爵は何をそんなに焦っていたのか?
そんくらい切羽詰まったカリオストロ公国の台所事情とかがあったのかも?
カリオストロの城に不審な点はありますか?
アニメーション的に面白おかしく描いてるから現実にはあんなの無理だよねって言う面白い部分以外に不審な点はないんじゃないでしょうか?
少なくとも私にはどこをどう切っても変なところは見つけられなかったです。
ただ私はアニメーションにしろ実写映画にしろその作品世界の設定をそのまんま受け止めちゃう変な子だったんで
ここに記載された内容は
「宮崎駿さんがそう言うんだからきっとそうなんじゃないの?」
っていう思考を持った極めて程度の低い奴(私)が書いていることを差し引いて読んでください。
以上、初級アニメーション読解力検定に落ちる自信がある私による戯言でした。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
でもこんなことを言うのもなんですが、戯言ですから信じないでください。