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刑事コロンボ 完全犯罪の誤算 Agenda for Murder について


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NHKBSP 刑事コロンボ 完全犯罪の誤算 Agenda for Murder


この作品の特徴「納得」

THE パトリック・マクグーハン という作品じゃ無いかと。

旧シリーズでも犯人役や制作に関わったパトリック・マクグーハンが今回も犯人役と監督まで兼務しています。

旧作をよく知る犯人役と監督による作品なので、旧作コロンボファンも納得の作品です。


ベテラン脇役陣

コロンボの相棒にお馴染みのクレイマー刑事。

犯人は祝砲の挽歌”By Dawn’s Early Light”で軍人の教官、仮面の男”Identity Crisis”ではCIAのスパ・・・オペレーターをしながら同僚を殺す犯人役を演じたマクグーハン(出所させちゃダメですねこの登場人物)。

前作でも別れのワインでイタリアンレストランの偉い人でワインの味見をするコミカルな俳優さんが再登場していましたけど、こういう再登場はとても嬉しいですね。



なぜこの作品だけクオリティが頭抜けているのか?

推測に過ぎませんが、新シリーズになってからの刑事コロンボは端的に人気のある作品、名前のある作品を1980年台のドラマ制作のメソッドで作っちゃった感じがします。

危機感を持ったのか、それとも昔の仲間(コロンボやくのピーター・フォークと、犯人役にして監督のパトリック・マクグーハン)が「昔の感じもちょっとやってみないか?」という仲間内のノリだったのかはわかりませんが、映像のキラキラ感(この時期のアメリカはビデオクリップや番組の露出がオーバー気味で、のちにとんねるずの番組などにも影響したのか日本も後から同じような明るい画面に変わってたと思います。旧作コロンボは1970年台かつ題材が殺人ですからややローキーというか暗めで重厚な画が多いと思います)を維持しながらも大事なポイントは外していません。

・犯罪に関わる説明的なシーンをじっくり見せる

・登場人物の顔を影の部分まで見せる(脚本的に説明する、会話やシーンで見せる)

・キャラクター設定を壊さず、踏襲する

特に三番目はコロンボが高所で平気な顔をしているシーンがあったりして、旧作の「死の方程式 “Short Fuse”」でせっかく付けたコロンボの高所恐怖症キャラとそのコミカルなピーター・フォークの演技が台無しになってました。

しかし、今作ではちゃんと「しつこい」「くどい」けど容疑者(パトリック・マクグーハン)的には「無碍にできない」。

容疑者はコロンボの質問に相手はするものの、「いやもうイライラするわ」という表現を繰り返し「車で急発進して見せてコロンボを置き去りにする」シーンや、車からコロンボが見えた瞬間ダッシュボードを叩いて苛立って見せた後コロンボに近づいたら一転、手を振って愛想良くしてみせる犯人の二面性を見せています。

コロンボ側の主観を持った視聴者にはコミカルに感じさせる、なんて効果は旧作を知る人にも納得の展開じゃ無いでしょうか?

この辺はもしかしたらですが・・・・・このままじゃコロンボシリーズやばいんじゃないか?というパトリック・マクグーハンの危機感もあったりしないのかな?と感じた次第です。


コロンボシリーズ最大の特徴「コロンボになるとスタッフが急に凝った演出が上手くなってムカつく」

「」内のセリフは私の創作です。

でも、週刊文春に昔この手の記事が上がったことがあります。

刑事コロンボの何が嫌いって他の作品ではそうでも無いのに、コロンボになると旧に演出で凄いことをしだすからこの作品は嫌いだと書いてるコラムニストか評論家の方がいらっしゃいました。

確かにファーストシーズンの最初の方なんかはすごい演出ですよね。

特に「指輪の爪あと”Death Lends a Hand”」は笑っちゃうくらい凄まじいです。

今作もその点では素晴らしい。

被害者の頭越しに犯人を見せながら犯人の背景にある弱点を語る被害者。

小刻みなシーンの繋ぎで突然激しくなる展開。

間接的に表現されつ殺人シーン。

コロンボと犯人が二人で会話して別れる場面の超広角レンズの使い方。

イレギュラーなことが起きた瞬間の目元だけに詰めた画面の使い方。

いいですよこの作品。