刑事コロンボ(20)「野望の果て」 “Candidate for Crime”  ITエンジニアがなぜ重要なのか?

Tisha Sterling

女性俳優さんです。

この人が出てなければこのエピソードそんなに観なかっただろうと個人的には思うくらい可愛いですよ。

キャリア的には(2024/02/10時点から見て)最近放送された「マンハッタン無宿(Coogan’s Bluff)」に出演されてて主演のクリント・イーストウッドを窮地に追いやる悪い女を演じてました(逆にクリント・イーストウッドに寄り添う側の女性を見て「あれ?この人!」と思って検索したら見事にビンゴ!演じてたのはSusan Clarkさん、なんとこちらは(7)「もう一つの鍵」 “Lady in Waiting”では犯人役!、映画とコロンボでは二人の立ち位置が逆?っぽい感じなのが面白い、そしてスーザン・クラークさんが射殺する被害者リチャード・アンダーソンさんで「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」でのちにOSIの局長になるお方です!お願いその人殺さないで・・・、そしてスーザン・クラークさんの恋人役がレスリー・ニールセンさん、こちらはのちに面白すぎるイケナイ映画で「裸の銃を持つ」事になる人なので、なんならこっちを・・・あ、いや嘘ですすみません)。

ティシャ・スターリングさんは卵形の輪郭をされていて目が大きい。

マンハッタン無宿では小悪魔的なポジションの人でしたし確かに見た目そういうキャラクターも出来そうだし、今作「野望の果て」で演じる不倫にハマって周囲に反対されてるのに健気に愛する男性(今作の加害者)を思う一途な感じもハマるなあって思いました。

役所は愛人かつ不倫相手の奥さんの秘書というややこしい関係性ですが、刑事コロンボに出てくる秘書役の女性の中では異色のキャラクター設定でしたね。

例えばアリバイのダイヤル”The Most Crucial Game”に出てきたロバート・カルプ演じるビル・マックスウェルFBI捜査官・・・じゃなくてスポーツチームを束ねるグループ会社のGMポール・ハンロンさんの秘書さん(バブコックさんの代わりの方)は健気にハンロンさんのパワハラに耐えてる感じの人ですがもし仮に恋人には実は奥さんが居ましたって判明した時点で別れそうな感じするし、(26)自縛の紐”An Exercise in Fatality” マイロ・ジャナスさんの秘書さんは初対面のコロンボ警部が「他の事を考えてた」って誤魔化さなきゃならんくらいの相手でした、セクシーなんですね、しかも最初朝からビキニの水着で彼氏の家に訪問した警部出迎えちゃってるし、マイロさんとの関係も秘書かつ恋人なわけですが関係性に一方的な感じを持たせないようにしてますし、しかも最後にはマイロさんが殺人犯の可能性濃厚となると警部から言われてそうしたのか、はたまた自発的にそうしたのか秘書席にいませんでしたよね、あれもしかしたらあの時点で彼女は彼の元をさったのかなあと私思ったものです、どうだったのかな。

さてスターリングさんに話を戻しますと、彼女の発声の傾向が上品な音の出し方でこの辺はマイロさんの秘書さんもそうだし、忘れられたスター”Forgotten Lady”のジャネット・リーさんなんか特にそうですよね。

その声色もすごく素敵ですよね、それは三人とも。

こういうの時代のもんですかね、ハンロンさんの新しい秘書さんは今時っぽい地声というかやや低い声で普通にお話しなさってます。

まあこのエピソードでコロンボ警部の次に見所はっていうとこのスターリングさんです自分は。

 

エピソード的には?

もうちょっとなんとかならんもんですかね。

犯人は選挙中でしかも候補者本人です。

殺害した相手はその選挙参謀、つまり選挙で犯人を勝たせるためにあれこれアイデアを練ってる人です。

この人を選挙終盤で殺しちゃったんですよね。

それで殺害後の選挙終盤、プールの前で対立候補がすごいこと言い出したんで対策練らないとって犯人の候補者が選挙スタッフらしき人に言われて窮地に陥ってる感じがするわけですよ。

あそこもうちょっと拾って欲しかったですね最後の開票速報とかに反映させるとか。

戦闘機と戦車でシリコンバレーを占領してもそこに頭脳(そこで働いていた人)が無ければただ空き地を手に入れたことにしかならない。

時代は物から人に移ろっている現代にも通じるエピソード、人(選挙参謀)を失えば損するのは犯人だ、という展開にして欲しかったです。

またコロンボ警部が他のエピソードで犯人には「ゾクゾクするような」動機があるもんだって言ってますけどこの犯人の動機がどうにも弱いですよ。

そりゃティシャ・スターリングさん演じる愛人は見た目もすごく綺麗だし性格も従順で得難い女性ではあるんですが、選挙参謀さっくり殺して自分の欲望満たすような自分勝手すぎるパーソナリティの男性が落選してただの人になってまで関係を維持したいと思うわけないですよね?

その覚悟あったらさっさと立候補断念して愛人とよその町に逃れると思いますよ。

最後に犯人が尻尾出す展開もあれで選挙参謀殺害まで繋がるだろうか?

レスリー弁護士クラスの人が相手だったら公判維持できますかね?そこらは私にはわからないけれども。

 

鑑賞ポイント

刑事コロンボとあと個人的にはスターリングさん、それによく出てくるあのテーラーのご主人がポイントです。

だからコロンボとしてみる分には本当に普通に面白いエピソードです。

昨今の刑事ドラマは細かく描いてしまうので(イギリスの刑事ドラマとかイギリスの刑事ドラマとかイギリスの刑事ドラマとかが特に)そこら見てしまうとエピソード的には不満点も出ちゃうんですが1970年代の刑事ドラマなんだからって点で見る以上これは刑事コロンボ作品としてはいい出来です。

刑事コロンボってピーター・フォークが面白ければいいんですよ。

徹子の部屋って番組がゲスト次第で視聴率があんまり変わらないって言われたことありますけど、分析としては視聴者は黒柳徹子さんを見ているのであってゲストが誰なのかはあまり問題じゃないからだろうって事でした。

刑事コロンボもそうなんじゃないでしょうかね。

でもスターリングさんが出てるのがプラスポイントですのでそれだけで星を一個追加したいくらいですこのエピソード。