横浜ベイスターズ対読売ジャイアンツ 2025/09/26 24回戦 横浜スタジアム 7回表の攻防 岸田のレフト前ヒットからの推論

試合の流れ

試合の流れは先行の巨人が先制したものの横浜に逆転され一時1−4の劣勢に陥るも、不安定な投球を続ける横浜 東投手から岡本のツーランなどで同点に

4−4のまま7回表に入ります

 

2025/09/26 24回戦 横浜スタジアム 7回表 巨人の攻撃、ノーアウトランナー1塁から

巨人の攻撃、打者岸田は横浜宮城投手が投じた五球目、真ん中低めのカーブをレフト前に打ってランナー1塁

話はここから始まります

 

ノーアウトランナー1塁(岸田) カウント0−0 打者:オコエ 投手:宮城

初球

巨人ベンチはサインでオコエに送りバントを命じた模様

横浜は高めのボール球 143キロのストレートを選択

オコエ選手はこのボールをバントするもファールとなる

両軍からオコエ選手のバント能力に疑問符が付く

 

ノーアウトランナー1塁(岸田→佐々木) カウント0−1 打者:オコエ 投手:宮城

巨人ベンチはここで一塁走者を俊足の佐々木に交代

この日、2安打した5番打者を諦め巨人ベンチはこのイニングに勝負をかける

佐々木は昨年2盗塁、今季0盗塁ながら俊足が持ち味の選手

 

ノーアウトランナー1塁(佐々木) カウント0−1 打者:オコエ 投手:宮城 スチール開始

二球目

打者がバント失敗しランナーが足のある選手に交代

阿部監督から捕手山本へのプレッシャーはスチールを警戒させる事

ランナーがスタート

 

ノーアウトランナー1塁(佐々木) カウント0−1 打者:オコエ 投手:宮城 宮城が投球

記録によればここで巨人ベンチの選択はバスターエンドラン

私は現地でオコエ選手がバットを引いた場面を見ていなかったので、単純にバッターが空振りしランナーがセカンドに走ったのだけが見えた

阿部監督は山本・宮城のバッテリーにランナーのセカンド進塁を警戒させた

・単独スチール
・あまり上手くない送りバント(ランナーが岸田から佐々木に代わっているので進塁速度が速く成功確率が上がっている)

しかし真の目的はエンドラン

アウトコース低めのストレートを投げさせる目的だったのではないかと思う

 

ノーアウトランナー1塁(佐々木) カウント0−1 打者:オコエ 投手:宮城 山本がセカンドへ送球

山本・宮城の選択はアウトコース低めのボールゾーンにカーブ

オコエは大きなスウィングで空振り

ランナーは単独スチールではなくエンドランのタイミングでスタートしているので、ガチガチのスタートではなかった?

セカンドベースの手前で山本の投じたボールが野手のグラブに届いていた

ここで私の推測は「阿部監督は山本の裏をかいてエンドランをかけるためにわざと二球目の前にランナーを交代、スチールを警戒させてエンドランをかけてきたが山本に読まれていた。だからランナーのセカンド到達が遅かったのではないか」と考えた(実際にはバスターエンドランだった)

 

1アウトランナー無し カウント0−2 打者:オコエ 投手:宮城

三球目

後に残されたのはランナーがおらず、2ストライクに追い込まれた6番打者の姿だった

バッテリーは真ん中高めに148キロのストレートを選択

ミスした直後のオコエ選手が焦ってストレートに空振りしてくれることを期待したのだろうか?

結果は見逃されてボール

巨人ベンチあるいはオコエ選手個人はそこまでこの試合に強い思いがないのかもしれない(この試合に勝って巨人が2位になる可能性を少しでも残そうという気概はないのかも?)

 

1アウトランナー無し カウント0−2 打者:オコエ 投手:宮城 セカンドゴロ

四球目

バッテリーはアウトコース高めを要求

セカンド深い位置へのゴロとなり林選手が逆シングルからのジャンピングスロー

逆方向に体が流れる、離れていく方向へ慣性のかかった状態からファーストへ送球し足の速いバッターランナーがファーストベースを駆け抜けた

判定はアウトだがベンチに向けてリクエスト要求のサインが出る

リプレー検証画像がバックスクリーンに映し出されると横浜のファンがほぼ全員アウトを確信して歓喜の声を上げるほどのわかりやすいアウトのタイミングだった

 

7回裏 ノーアウト 2塁ランナー:筒香、1塁ランナー:TA 打者:山本 投手:中川 2球目

抑えをやってたこともある中川らしからぬ投球でランナーを二人背負い、打者は得点圏で結果の良い山本

1アウトも取れず安定感を欠いたように見える中川だったので自分もここはヒッティングの方が良い気がした

コバマサ(千葉ロッテ)の時に感じた事だが、送りバントはランナーが進んで投手が苦しくなる場面と、コバマサみたいに1アウト取れたことでホッとするタイプが居るように思う

今回の中川は後者に思えた

ベンチの選択はこの日に本来3番、5番を打ってる佐野を6番に下げてまで5番起用した山本

何か勝算があった筈だ

横浜ベンチの選択もヒッティングで、結果は二球目をライト前ヒット

 

7回裏 ノーアウト 2塁ランナー:筒香、1塁ランナー:TA 打者:山本 投手:中川 オコエの返球ミス

セカンドかサードを狙った右翼オコエの返球が三塁側ファールゾーンに悪送球となって流れてしまった

この結果、セカンドランナーの筒香が生還し 横浜5−4読売 となりこれが決勝点となった

前の打席の件を引きずっていたのか、オコエ選手の無理な送球が巨人にとっては最悪の事態を引き起こしたのかもしれない

 

総括

オコエ選手には辛い試合になってしまった、ドンマイと申し上げたい

オコエ選手は荒削りな部分が消えないがその反面爆発的な運動能力を持っている

これにしょげないで前を向いて欲しい

試合のあった夜の横浜スタジアム
試合のあった夜の横浜スタジアム

山本選手はこの試合でヒーローインタビューに呼ばれているが納得の活躍なのはこの7回を見てもお分かりいただけると思う

全体的に阿部監督が追い込まれている状況にあり、球団も阿部監督の続投を早めに発表している

にもかかわらず選手が上手く阿部監督の作戦に答えられていないのは何故だろう?

また巨人は愛されるチームを目指したはずだ、阿部監督の「愛される巨人」という言葉を私は信じたい

今世紀に入って読売ジャイアンツは試合に勝つことだけは積極的だが、果たしてこれが野球ファンの裾野を広げ続けたあの球団の姿なのかな?と疑問に思う時期が長かった(こうなることがわかっていたので、長嶋茂雄監督退任のタイミングで私は巨人ファンを辞めた、今はヤクルト、横浜を応援してる)

やっと岡本選手のようなプレーヤーも誕生し、泉口、中山といった岡本がMLBに去った後も打線を担える選手も見えてきた

キャベッジも暴走はするものの良い外国人選手に巡り会ったと思う

代打で出てきた石塚選手(19歳)もアウトにはなったが低く内野の上を超えていく良い打球を打てる上手な選手に思えた、さすがは阿部監督が代打に起用するだけのことはある、将来は泉口、中山の脇を固める選手に育つかもしれない

この日の試合は少し堅苦しくて勝利を優先するあまり、その阿部監督の高等な戦術に選手が追いついていないように思えた

今後の立て直しを期待したい