ジョンレノンが凶弾に倒れる
1980年単年でもなければ1980年代の10年期でもなく音楽全体の大きな転換点で、残念ながらこの企画を始めた時点で絶対に避けられない話題がこれです。
12月27日のチャートでアルバム ダブルファンタジーからの第一弾シングルがNo. 1になりました。
ですがこの二週間ほど前の12月8日にダコタアパート前でジョン・レノンさんは凶弾に倒れました。
享年40歳。
生前彼がリリースした最後のシングルがこのスターティングオーヴァーであり生前リリースした最後のナンバーワンヒットでもあります。
1970年代後半にはハウスハズバンドとして家庭に入り息子さんの育児に専念されておられました。
1980年に突如としてジョン・レノンさんは表舞台に復帰してこられたのです。
ですがその矢先に彼はこの世を去りました。
スターティングオーヴァー
歌詞に直接的に書かれていることはヨーコさんとジョンさん夫婦の二人の物語です。
もう一度最初っから始め直そう、まるで初めて出会ったあの頃みたいにって意味じゃ無いかと私には読めます。
ダブルミーニング的に解釈し直すならこれは曲を聴いているあなたにジョン・レノンがまた帰ってきたんです、またよろしくねと言っているようにも感じられます。
だからまた振り出しに戻って、また最初の頃の新鮮な気持ちで、わかるでしょう?
そんな気がするんですこの曲は。
だから皮肉な曲でもあります。
だって終わりが始まっちゃったからです。
未来はこうなるはずだった
この曲を初めて聴いた時は何もわかりませんでした。
ただ歴史を遡ってこの時代まで戻ってきて前後を考えるとジョン・レノンさんには1980年代がこういうふうに見えていたってことなんじゃ無いかなと思うんです、歌詞がではなく曲がです。
1970年代の大変な時代だったけど地に足をつけてそしてまっすぐに時代を見つめていた感じから、1980年代は明るくてポップで未来に期待を持てるそんな時代に転換していくあるいはそんな時代を呼ぼうよと考えていたんじゃ無いだろうか?って思えるんです。
だから曲のリズムは変に早くもないしかといって遅くもないし曲調はウォールアンドブリッジスみたいに静かに耐えてる感じもしないです。
希望と期待の1980年代にしようよ。
そして新しい時代の音楽はきっとこんな感じだよ。
そんな出だし。
それがこのスターティングオーヴァーだったんじゃ無いかなあと思うのです。
ただその道標がここで途絶えてしまったわけで、その後の混迷が数年後に顕在化しちゃったんじゃ無いだろうかって気もします。
いえジョン・レノンさん一人亡くなったことが全てを変えた元凶では無いとは思いますがこれ大きなターニングポイントだったんじゃ無いだろうかって気がするんですね。