視聴感想文(レビューともいう)
ニューヨークの最寄り空港JFKでタクシーを拾った女性とタクシードライバーの会話だけで進むという意欲的な作品。
セリフのある俳優がたった2名で撮影場所が95%くらいタクシーセットの中っていうのが、なんだかアルフレッド・ヒッチコックの「ロープ」という映画にほんのり近い感じもします(俳優3人で同じ部屋の中で進行する、あとカット繋いだ感じなし)。
撮影自体16日で完了、舞台装置も限られててリソース少なくてもこれだけの映画ができるんだっていう面ではとても意義深い作品なのかな?
ただ内容的にはもう少しタクシー・ドライバーにコミカルさと哲学的深みにハマったセリフが欲しかったなあというところ。
ラストシーンで女性客が去ったあと、タクシードライバーが去るところは音楽をもっと控えめにリアのトランクしめて淡々と走り去って欲しかった(祈るような気持ちで見てました)。
トランクの中からカメラがショーン・ペンを煽った時点で「あ、これ閉じて終わるパターンだ」って思ってちょっと意気消沈したのは確かです。
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タクシーのシーンは全てセットで撮影された
タクシーをスタジオの中に置いて周囲をLEDビデオスクリーンでマンハッタンなどの景色を投影し撮影したらしいです。
つまり大半がスタジオ撮影なのですが映画見ててもそんな風には全然見えません。
唯一気になるのがリアシートのお客さんがあんまり揺れないことくらいでしょうか。
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この映画は誰かのプライベートについて書かれたものではない
理由はこの映画の制作プロセス(時系列)です。
元々脚本が書かれた時点ではどういう形で発表するかは決まっていなかったようですし、映画にするのかどうかさえわかっていませんでした。
つまり俳優さんもまるで決まっていない段階で書かれているので少なくとも出演者との関係を想定しては無いはずです。
ただもしかしたら脚本家が個人的に知っている誰か、あるいはニュースなどで知った事件のあらましに着想を得た可能性は否定できません。
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